物流ニュース 1月2008年

30/01/08 浚渫作業費は5億ドル、2月1日から開始−メルボルン水路浚渫計画
30/01/09 シドニーの港湾税関検査場内で大量のタバコが盗まれる − 豪税関
30/01/08 英国で盗難にあったトラクターなどがオーストラリアに不正に輸入
30/01/08 港湾荷役パトリックの12月のコンテナー取扱量が過去最高に
30/01/08 豪産小麦の袋詰めやコンテナー輸送での輸出が大幅に増加
30/01/08 豪シェンカー社がキャンベラに新施設をオープン
23/01/08 違法に輸入された恐竜の化石を中国に返還 − 連邦政府
23/01/08 反対派が裁判で敗訴、工事は2月1日開始−メルボルン港水路浚渫
23/01/08 カルテルに関与したとされるカンタス航空貨物幹部の名前を公表
23/01/08 週3便のシドニー線貨物機の運航を継続 − 大韓航空貨物
23/01/08 豪州への貨物機の運航を検討 − エアーインディア貨物
16/01/08 貨物運賃の罰金US$61mの支払い期限が今月まで−カンタス航空
16/01/08 世界的なリストラによる豪州への影響は不明 − マースク・ライン
16/01/08 北京への直行便就航で五輪需要を狙う − ニュージーランド航空
16/01/08 オーストラリア線を増便、貨物スペースも増加−シンガポール航空
16/01/08 航空会社と貨物代理店の運賃清算システムのCASSは継続
16/01/08 ビクトリア州での貨物鉄道事業の撤退を延期 − アシアーノ社
09/01/08 グラハン事業のToll Dnata社が豪州での事業を拡大
09/01/08 貨物鉄道の閉鎖で食品価格が上昇し道路も混雑 − ビクトリア州
09/01/08 クルマエビの輸入検疫テストの見直しを要求 − 輸入業者
09/01/08 連邦政府がメルボルン港の水路浚渫プロジェクトを許可
09/01/08 香港の貨物会社BALトランスの買収を計画 − トール
09/01/08 ブランブルズ社の株式を売却、買収断念 − アシアーノ社

                                                              

01月30日2008年 浚渫作業費は5億ドル、2月1日から開始−メルボルン水路浚渫計画
  巨大な浚渫船がメルボルンに到着し、論議を呼んだメルボルン港水路浚渫プロジェクトが始まる。 この水路の浚渫を行なうオランダの企業は、この浚渫作業契約は5億ドルの規模となるとしている。 メルボルン港湾公社(PoMC)によると、浚渫船”Queen of the Netherlands”号は、メルボルンに1月29日に到着すると発表した。 2年間の時間をかけて、総額9億6,900万ドルとなるメルボルン港水路浚渫プロジェクトは2月1日から始まる。 大型のコンテナー船がメルボルン港に着岸できるように、2,300万立方メートルの土砂、岩、有毒の堆積物を取り除くことになる。 ビクトリア州政府とメルボルン港湾公社は、浚渫作業を行なうRoyal Boksalis Westminster社への契約金額は企業秘密として公表を拒否している。 しかし、フェアファックス紙によると、ヨーロッパの証券取引所では今回の契約額が5億ドルとなっていることを発表しており、この発表に関してはメルボルン港湾公社も同意している、としている。 (Source: AAP, 29/01/08 "Dredging firm to receive $500m payment")
01月30日2008年 シドニーの港湾税関検査場内で大量のタバコが盗まれる − 豪税関

  オーストラリア税関は、シドニーのコンテナー検査場で発生したタバコの盗難についての調査を行なっている。 1月23日の夜から翌日の朝にかけて、何者かがシドニーのマットラビル地区にある税関のコンテナー検査場の裏手にある金網を切断して侵入した。 コンテナー2個が壊され、中にあった俵状に梱包されたタバコ約1.6トンと166万本の巻きタバコが盗まれた。 税関調査部門のナショナル・マネージャーのJaneczko氏は、「コンテナーの中にあったタバコは、税関検査で不合格となり、廃棄する予定であった。 しかし、セキュリティーが税関にとって最も重要である。 税関としては、シドニーだけでなく、オーストラリア全国にある同じような税関検査場を持つ地域にも、現行のセキュリティ対策の見直しを行なうことにする。 もし、一般消費者に格安のタバコや巻きタバコの売込みがあれば品質に注意して欲しい。 今回、税関検査で不合格になり、盗難にあったタバコはカビ臭いし、巻きタバコについては、海外の製造業者が不明である」と話した。 (Source: Australian Customs Service, 25/01/08 "Customs investigates tobacco theft")

01月30日2008年 英国で盗難にあったトラクターなどがオーストラリアに不正に輸入

  国際的な犯罪捜査で、オーストラリアの農家が盗まれた高価な農業機械を使用している可能性が判明した。 イギリスの設備・機材登録機関は、総額9万ドルの2機のJCB掘削機と総額25万6,000ドルの2機のJohn Deere製トラクターがイギリスで盗まれ、シドニーに売却されたことを突き止めた。 2年前にも盗難にあったトラクターが発見され、購入した人がトラクターのダシュボードにピストルと実弾1箱が入っているのを見つけている。 この設備・機材登録機関のマネージャーのティム・パーブリック氏は、「これらの事例は氷山の一角であって、オーストラリア政府に対し、農業機械の輸入検査を強化して欲しいと要求している。 イギリスでは、盗難にあった機械の発見率は5%程度で、ほんの一握りにしか過ぎない。 オーストラリアには海外で盗難にあった大量の農業機械があると思う」と話した。 ニューサウスウェールズ州警察の広報担当は、「税関から定期的に報告が来るが、このような事例はまだ確認できていない」としている。 (Source: AAP, 23/01/08 "British investigators dig up the dirt on stolen tractors")

01月30日2008年 港湾荷役パトリックの12月のコンテナー取扱量が過去最高に
  「港湾荷役業者のパトリックが、昨年12月に25万個以上のコンテナー(teu)を取り扱い過去最高となった」と親会社であるアシアーノ社が発表した。 また、メルボルンのイースト・スワンストン・ドックでは、今年初めに稼動した2機のクレーンに対処するために、10機の新しいストラドル・キャリアー(鋼材やコンテナなどを抱えて運ぶ大型運搬機)がもうすぐ配備される予定である。 また、シドニーのボタニー港では、レール上を動く新しいガントリークレーン2機が来月から使用を開始し、港湾貨物ターミナルでのコンテナーの積み込み、積み下ろしの効率が大幅に改善される。 アシアーノ社のドン・テルフォード最高執行責任者は、「最高記録となった12月のコンテナー取扱量は前年同月より12%増えている。 これは明らかに、我々の業務能力が世界の最高水準に達しているといえる。 我々の貨物ターミナルで増え続けているコンテナー量に対応していることは、我々の投資、我々の従業員、成長に対応する管理能力の証である。 インフラ整備とクレーンの交換を行なっているなか、今回のような記録を達成したことは従業員と管理職の功績である」と話した。 (Source: LLDCN, 23/01/08 "Patrick posts monthly container throughput record")
01月30日2008年 豪産小麦の袋詰めやコンテナー輸送での輸出が大幅に増加
  輸出小麦委員会(EWC:Export Wheat Commission)はオーストラリアの小麦生産者に、輸出規制緩和と輸送コストの軽減で、袋詰めとコンテナー輸送での輸出量が7倍になったと報告した。 昨年の9月から11月の3ヶ月間で、26万トンの小麦が袋詰め、またはコンテナーで輸出され、前年同期の3万8,000トンから大きく増加した。 2006年度(2006年7月-2007年6月)では、全小麦輸出量の8.7%にある87万7,000トンが袋詰め、またはコンテナーで輸出されている。 輸送コストは、西オーストラリア州からインドネシアまでで、従来のバルク貨物では1トン当たり46USドルであったのが、コンテナーを使用すれば19USドルですむ。 しかし、小麦を輸出する州での空コンテナー不足が問題となっている。 小麦生産者報告書では、「昨年度、小麦輸送用のバルク船の運賃が48%上昇しており、 オーストラリアに近いアジアの主要諸国への輸出にはバルク貨物運賃は高く、コンテナー運賃は非常に魅力的である。 オーストラリアはアジア向け(特に中国とベトナム)への輸出は、競争相手であるアメリカよりコンテナーで輸送している量が多い」としている。 EWCも、「オーストラリアはアジア市場において、アメリカなどの距離が遠い輸出国より競争力がある。 昨年度オーストラリア発のコンテナー船は22万2,000個のコンテナーが空で出発しており、計算すると約500万トンの小麦がコンテナーで輸出できる余地がある」と話した。 (Source: LLDCN, 24/01/08 "Wheat box volumes take off")
01月30日2008年 豪シェンカー社がキャンベラに新施設をオープン
  ロジスティックス企業のシェンカー・オーストラリア社は、キャンベラに新しい施設をオープンさせたと昨日発表した。 総面積600uで、100パレットが収容できるラッキング・システムがある。 同社のキャンベラ事務所のスーパーバイザーのピーター・マクインズ氏は、「この新しい施設で、ACT(首都特別地域)とその周辺の地域に完璧な輸送や配達サービスが出来るようになる」と話した。 シェンカー社は、オーストラリアに36ヶ所、ニュージーランドに7ヵ所に事業所を持ち、合計1,200人の従業員がいる。 (Source: LLDCN, 23/01/08 "Schenker opens Canberra facility ")
01月23日2008年 違法に輸入された恐竜の化石を中国に返還 − 連邦政府

  連邦政府は、過去3年間に違法にオーストラリアに輸入されて税関で押収された恐竜の卵などの化石750キロを中国に返還した。 連邦政府のピーター・ギャレット環境相は1月15日に、キャンベラの中国大使館で行なわれたセレモニーで正式にそれらの化石を返却した。 これに対し、 中国のZhang Junsai大使は、感謝の意を込めて6個の化石の見本をオーストラリア政府に贈呈した。  ギャレット環境相は、「返却された化石は10万ドルの値打ちがあるが、中国の遺産としてや研究価値としては値段がつけられない」と話した。 この化石の中には、TryannnosaurやVelociraptorの恐竜の卵の巣、小型海洋爬虫類、ほかの恐竜の骨などが含まれている。 中国の化石は4億5,000万年前までのもので、中国政府は海外への販売や輸出を禁じている。 ギャレット環境相は、「今日、我々は世界に対し、オーストラリアは文化遺産の不法な取引を断固として容認しないとのメッセージを送ったことになる。 国の宝である化石は、それぞれの国の独自の古代の環境や進化を物語るものである」と話した。 今回返還された化石は2004年から2007年の間に、連邦警察、税関、連邦政府環境省によって、シドニーとメルボルンにある店舗、倉庫、貨物コンテナーから押収されたものである。 (Source: AAP, 15/01/08 "Australia returns fossils to Chinese")

01月23日2008年 反対派が裁判で敗訴、工事は2月1日開始−メルボルン港水路浚渫
  連邦裁判所のピーター・ヒーリー判事は、メルボルン港における9億6,900万ドルの水路浚渫プロジェクトに対する法的な争いに終止符を打ち、工事は予定通り2月1日から始まることになった。 ヒーリー判事は、「政府によるこのプロジェクトへの許可は合法的なものである。 法律では、許可の手続きをやり直すことを求めてはいない。 原告が主張する、連邦政府の大臣がプロジェクトの決定をするのにあたり、十分な情報をもっていないとされる証拠はない」と話した。 しかし、反対派グループ”blue Wedges Coalition”はあきらめず、浚渫船の”Queen of the Netherlands”号、” Cornelius Zanen”号、” Cetus”号の作業の阻止を検討している。 メルボルン港湾公団のスティーブン・ブラッドフォードCEOは、「このプロジェクトは、メルボルン港がオーストラリア最大のコンテナー港としての地位を保つのに重要である。 メルボルン港は現在も、また将来においても、競争力と雇用の確保を維持する。 そして、重要なことは、ビクトリア州の経済に自信を与えることになる。 今回の裁判所の判決に感謝をしたい」と語った。 (Source: LLDCN, 17/01/08 "Federal Court gives Melbourne dredging green light")
01月23日2008年 カルテルに関与したとされるカンタス航空貨物幹部の名前を公表
  世界的な航空貨物運賃の価格操作(カルテル)に関して、調査や刑事訴追の対象となっているカンタス航空貨物の現、元幹部6人の中に、現貨物部門のトップのスティーブン・クリアリー氏は含まれていることが分かった。 この6人の名前は、アメリカ/オーストラリア間において貨物運賃を6年間価格操作をしたことを認めたカンタス航空が、アメリカ司法省との司法取引の中で判明した。 カンタス航空は、英国航空、ルフトハンザ航空、大韓航空、バージン・アトランティック航空と共謀して価格操作を行ったことを認め、1月末までに6,100万米ドル(6,800万豪ドル)の罰金を支払うことになっている。 2004年からカンタス・グループの貨物ゼネラル・マネージャーの職にあるクリアリー氏は、今回の違法行為に関与したことを否定している。 今週アメリカの裁判所は、カンタス航空の従業員や幹部については刑事責任を問わないとの文章を明らかにしているが、 スティーブン・クリアリー氏、ピーター・フランプトン氏、ジョン・クーパー氏、ハロルド・パング氏、デズモンド・チャーチ氏、ブルース・マッカフィー氏の6人については、起訴免除の対象には含まれていない。 パング氏はカンタス航空に25年間勤務し、2004年からシンガポールの貨物販売ゼネラル・マネージャーとなっている。 クリアリー氏の前任であるフランプトン氏は2004年に解雇。 本社の元貨物販売・マーケティング ゼネラル・マネージャーのクーパー氏も2004年に退社し、現在はロジスティックス企業のTNTに勤務している。 マッカフィー氏はロサンゼルスで幹部として採用された。 チャーチ氏はいつカンタス航空を退社したかは不明。 アメリカ司法省は今後もこの6人に対する調査を行なっていく。 カンタス航空の広報担当は、「司法取引で名前が出たということと、それらの人々が違法行為に関与したことや、起訴されることは別の問題である。 現職のクリアリー氏とパング氏は容疑を否認している」と話した。 カンタス航空は、燃油サーチャージや2001年アメリカで発生した同時多発テロ以降の戦争リスク料金、セキュリティ料金の名目で航空貨物運賃のつり上げを行なったことを認めている。 司法取引の文章では、今回の共謀の目的は、「ひとつか複数の料金を価格操作することで、顧客への各航空会社同士の競争を妨げた」としている。 なお、この価格操作は2006年2月14日に中止された。 英国航空と大韓航空はすでに、それぞれ3億3,490万ドルの罰金を科せられており、バージン航空とルフトハンザ航空は、アメリカ司法省に協力したとして、今のところ不起訴になっている。 今回のカンタス航空への罰金命令により、現在アメリカで2件とオーストラリアで1件の荷主による民事集団訴訟が予定されている。 オーストラリアのMaurice Blackburn法律事務所は、今回のカルテルで輸入業者と輸出業者に2億ドルの被害が出ている、と話す。 シドニーの照明器具製造業者のクレイグ・ケリー氏は、「サーチャージだけで10万ドルの損出が出ており、もし取引契約がキャンセルになった分を入れると何百万ドルもの損失となる。 我々の商品輸出価格には航空貨物運賃が含まれており、カンタス航空の不正なカルテル収入のために、我々の商品価格が高くなった。 これにより輸出の注文が減った」と主張している。 (Source: Daily Telegragh, 17/01/08 "Qantas bosses may be facing charges")
01月23日2008年 週3便のシドニー線貨物機の運航を継続 − 大韓航空貨物
  シドニー向けの貨物需要が引き続き高いことから、大韓航空貨物はシドニー線の週3便の貨物機(B744)の運航を継続することになった。 スケジュールは、月曜日、火曜日、木曜日にインチョン空港を出発する。 オーストラリアの貨物部門のゼネラル・マネージャーのギャリー・ジョーンズ氏は、「当初3便目の貨物機の運航は、12月と1月の繁忙期だけを運航する予定であったが、特に輸入の需要が引き続き高いため、それに見合う輸送能力が必要になった。 また、昨年の11月からメルボルンへも旅客機(A333)で週3便(火、木、金曜日)運航を開始し、各便10トンの貨物が搭載できる。 スペースも空いており、魅力的な価格もオファーする」と話した。 (Source: Aircargo Asia-Pacific, 16/01/08 "Korean maintains three freighters on Sydney route")
01月23日2008年 豪州への貨物機の運航を検討 − エアーインディア貨物
  1月13日付けインドのビジネス・タイム誌は、アジア・太平洋地区販売拡大の一環として、エアーインディアの貨物機がオーストラリアに運航することになると報道している。 エアーインディアは、貨物部門を強化するために、オーストラリアはまだ確定されていないが、シンガポール、バンコック、香港、中国に今年の下期からの運航を予定している。 また、ソウル、東京、ダッカ、ドバイ、ドーハ、アムステルダム、トゥールーズ、ニューヨークへの拡大にも視野を入れている。 今のところ、同社の貨物機は、サウジアラビアのダンマーム、フランクフルト、パリにしか運航をしていない。 同社貨物部門の幹部は、「現在、我々の8つのチームが、それぞれの国の路線において輸入貨物、輸出貨物の市場調査を行なっている。 それらの結果を待って2008年から2016年にかけて運航を増やしていく。 そして、我々のサービス基準や競争企業の動向を見ながら、柔軟で積極的な価格戦略を行なっていく」と語った。 業界の統計によると、インドは貨物機市場において上位30位に入っており、インド自体の昨年の貨物量は20%伸びている。  国内航空貨物は15%、国際貨物は25%増えているが、インドの航空会社はその12%しか取り扱っていない。 (Source: LLDCN, 14/01/08 "Air India Cargo eyes Australia in Asia-Pacific thrust")
01月16日2008年 貨物運賃の罰金US$61mの支払い期限が今月まで−カンタス航空

  カンタス航空の国際航空貨物運賃の不正操作に対する、アメリカの裁判所への罰金6,100万米ドル(6,800万豪ドル)の支払い期限があと2週間と迫っている。 同社はすでに、アメリカのワシントンの裁判所で有罪の判決を受けている。 アメリカ政府司法省は、カンタス航空がアメリカ/オーストラリア間の航空貨物運賃を不正に操作して自由競争を阻害したとして告訴していた。 これに対し、カンタス航空の貨物部門も弁護士を通して裁判所に、今回の容疑については認めている。 ジョン・ベイツ判事は、今回の貨物運賃不正操作は非常に重大な罪であるとして6,100万米ドル(6,800万豪ドル)の罰金を命じ、カンタス側もこの金額を支払うことに同意した。 同社は、引き続き行なわれているアメリカの捜査当局による貨物運賃不正操作についての捜査に協力をしている。 (Source: ABC, 15/01/08 "Qantas fined $68m for rate fixing")

01月16日2008年 世界的なリストラによる豪州への影響は不明 − マースク・ライン
  大手船会社のマースク・ラインの広報担当は、「マースク・ライン本社が発表した世界的なリストラ計画によってオーストラリアの業務にも影響が出てくることになるが、それがどの程度になるのかを判断するにはまだ時期尚早である。 オセアニア地区はアジア・太平洋地域の管轄下となるが、今回のリストラによってオーストラリアとニュージーランドへの運航を停止するものではない。 我々は両国の組織変更で、それらの経営陣がより強固に、より独立した体制になることを望んでいる。 しかし、今のところまだ世界的なリストラ計画の詳細が分かっていない。 今後12ヶ月以内にシドニーにある地域事務所がシンガポールに移転することに関しても、いくつの役職に影響があるのかは分からない。 それらの詳細が分かるのは4月ごろになるが、計画されている戦略の導入や業務改善の作業は引き続き行なわれる」と語った。 (Source: LLDCN, 10/01/08 "Maersk restructure effect on Australia unclear ")
01月16日2008年 北京への直行便就航で五輪需要を狙う − ニュージーランド航空
  ニュージランド航空は7月から、オークランド/北京間を週2便、オークランド/上海間を週3便の直行便を運航することになった。 オリンピック需要を狙うと共に、中国市場での同社の貨物と旅客サービスの存在感を高めるのが目的である。 B777-200ER機のベリー貨物スペース不足は、引き続き上海に運航しているB744の貨物機によって補完される。  ニュージランド航空は現在、オークランド/上海間を週5便運航しているが、北京線の運航のために一時的に減便され、そして11月には元の週5便体制に戻る。 同社の国際部門のゼネラル・マネージャーのエド・シムス氏は、「我々の上海線は1,700万人いる上海の人たちをターゲットにしたものだが、北京線は中国のほかの地域からやヨーロッパから北京を経由してニュージーランドを訪れる多くの観光客を期待したい。 貨物に関しては、現在上海と香港に焦点を当てているが、北京線の就航で貨物の引き取りや配送に柔軟性が出来てくる。 また、オークランドを夜に出発し、北京に翌朝の午前中に到着するスケジュールは、ニュージーランドからの生鮮貨物に最適である」と語った。 (Source: Aircargo Asia-Pacific, 11/01/08 "Air freight the winner as NZ beefs up China services")
01月16日2008年 オーストラリア線を増便、貨物スペースも増加−シンガポール航空
  シンガポール航空は、4月からシンガポール/シドニー間を増便し、最終的には1日4便、週28便の運航体制にする。 増便されるフライトにはB777-300ERを使用し、4月から火曜日、木曜日、土曜日に1便運航し、6月からは毎日1便増便する。 このシドニー線においては、昨年のスーパージャンボA380の投入と今回の増便で輸送能力が3分の1増加し、旅客の座席数が1日1,500席提供できるようになった。 また、B777-300ERは旅客が満席でも貨物輸送能力は問題はない。 SQ233はシンガポールを07:00に出発し、シドニーには16:20到着、SQ234はシドニーを17:35に出発しシンガポールには23:50に到着し、ケープタウン、ヨハネスブルグ、ローマ、アテネ、チューリッヒ、コペンハーゲン、北京、上海への接続が可能である。 シンガポール航空は2008年6月にはオーストラリア線が合計週94便になり、内訳はシドニー線が週28便、アデレード線が週7便、ブリスベン線が週17便、メルボルン線が週21便、パース線が21便となる。 (Source: TLN, 10/01/08 "More airfreight options between Sydney and Singapore")
01月16日2008年 航空会社と貨物代理店の運賃清算システムのCASSは継続
  国際航空運送協会(IATA)がResolution 823の変更を行なったことで、オーストラリアに貨物輸送サービスを提供している航空会社は、貨物代理店と運賃精算するCASSビリング・システムの維持が出来るようになった。 今回の変更で、航空会社がCASSビリング・システムにおいて、各貨物代理店に対し支払い期間の延長が可能となった。 これは、IATAのCargo Agency Programがオーストラリア競争法の免除を受けていたのが2007年12月31日に失効し、オーストラリア自由競争・消費者委員会(ACCC)法に抵触するのを避けるために変更が行なわれた。 新しいResolution 823の規定では、CASSに参加している航空会社は、貨物代理店の信用状況に基づいて柔軟な取引が出来るようになった。 CASSにはその信用状況を報告する必要はなく、取引の形態も選ぶことが出来る。 しかし、オーストラリアでのCASSビリング・システムの現在の平均支払い期間は43日で、ほとんどの航空会社は今後大手貨物代理店に対しても支払い期間の延長には応じない模様である。 (Source: Aircargo Asia-Pacific, 11/01/08 "Status quo to remain on CASS billing to forwarders")
01月16日2008年 ビクトリア州での貨物鉄道事業の撤退を延期 − アシアーノ社

  ビクトリア州政府は1月11日に、「アシアーノ社は穀物とコンテナー貨物の鉄道輸送をすぐには廃止しないことを確約した」と発表した。 同政府のリン・コスキー鉄道相は、「州政府の代表者と鉄道事業者パシッフィク・ナショナルの親会社であるアシアーノ社が協議し、一部のメディアが報じている2月5日には鉄道事業の廃止を行なうようなことはしないとの確証を得た。 パシッフィク・ナショナルは引き続き、ビクトリア州での国内穀物輸送や国際コンテナー貨物のサービスを行ない、現在のサービスを改善するために、顧客や州政府と協力していきたいとしている。 また、アシアーノ社は、国内穀物輸送や国際コンテナー貨物のサービスが長期的に安定して継続できるように顧客と交渉していきたいとし、すぐには所有する鉄道車両をほかの州に移さないと約束した」と話した。  一方、アスシアーノ社の広報担当は、州政府の説明を認め、「アシアーノは昨年末に、ビクトリア州の穀物とコンテナー貨物の鉄道輸送事業は、現在の運営状況では維持できないと発表している。 今後、我々の顧客とビクトリア州政府とともに、商業的にこれらの鉄道事業の継続が可能になる方法があるかどうかを検討していく。 我々は2月5日に事業を終えると言ったことはないし、そのつもりもない。 赤字が続いているこの事業の将来については、今後数ヶ月以内に結論を出したい」と語った。 (Source: LLDCN, 10/01/08 "Asciano gives assurances to Victorian Government")

01月09日2008年 グラハン事業のToll Dnata社が豪州での事業を拡大
  ドバイのエミレーツ・グループと豪州のトール・ホールディングスの合弁会社が、オーストラリアの航空会社のグランドハンドリング業界に進出し、事業を拡大している。 Toll Dnata Airport Services社は、Monadelphous Groupの子会社であるSkystar Airport Servicesの一部を買収することに合意した。 Monadelphous Groupは昨日、この買収契約は2008年3月までに完了する予定であると発表し、パース空港の国際線と国内線のターミナルとブリスベン国際空港における、旅客・ランプハンドリングのすべての契約、従業員、施設、設備を売却するとしている。 またMonadelphous Groupはオーストラリア証券取引所(ASX)に対し書面で、「Skystar Airport ServicesはToll Dnata Airport Services社と緊密に協力してスムーズな業務委譲を行ない、それらの空港以外での業務は引き続き行い、顧客により良いサービスを提供していく」としている。 Toll Dnata Airport Services社は2007年6月に、Dnata社とToll Air Services社が同額を出資して設立された。 Skystar Airport Servicesは、オーストラリアとニュージーランドの9つの空港においてグランドハンドリング業務を行なっており、約400人の従業員がいる。 (Source: Australian, 28/12/07 "Toll Dnata starting to expand")
01月09日2008年 貨物鉄道の閉鎖で食品価格が上昇し道路も混雑 − ビクトリア州

  ビクトリア州の貨物鉄道ネットワークが閉鎖を決めたことから、同州最大の食品加工会社は、輸送価格が上昇することと、道路の混雑がさらに増すことを警告している。 貨物鉄道運営会社のアシアーノ社が穀物輸送とコンテナー貨物輸送からの撤退を決定したことから、地域の生産者や加工業者の海外との輸出契約が危機にさらされている。 食品加工会社SPC Ardmona社のナイジェル・ガラード社長は、「すべの農産物や製品は、我々の拠点があるゴウルバン・バレーからトラックで輸送されることになる。 その量はコンテナーにして年間4,500-5,000個になる。 今まではトラックを使っていなかったが、もし鉄道輸送の使用が完全に不可能になったら、トラックに頼らなければならない。 もちろん余分なコストがかかり、道路を使用するトラックの台数も大幅に増える。 温室効果ガス排出削減問題があるなか、増えるトラック輸送で排出ガスが増えることになる」と語った。 一方、アシアーノ社とサンレイシア地区にある運輸会社Wakefields Ironhorse社との会談で小さな望みが出てきた。 Wakefields Ironhorse社のケン・ウェークフィールド社長は、貨物鉄道の存続の方法を模索しており、地域の輸出業者70社の商品が引き続きメルボルン港まで鉄道で輸送できることになるかもしれない。 同社長は、「実現するかどうかはまだ確証はない。 交渉は難航しており、残念ながら我々の交渉は暗礁に乗り上げている。 我々は大きな湖の中の小さな魚であり、いままさに上流へ泳いで上っていこうとしているところである。 今、第一に顧客に迷惑が掛かることなく、第二に我々が新しいサービスを継続的に続けていける方法を交渉している」と話した。 (Source: ABC, 07/01/08 "Roads to suffer from rail freight closure")

01月09日2008年 クルマエビの輸入検疫テストの見直しを要求 − 輸入業者

  シーフード輸入業者とサービス業界は、輸入クルマエビ対する豪検疫検査局の新しい検疫テストには疑問が残るとして阻止する計画をしている。 シーフード輸入業者によると、新しい検疫テストが始まってから300トンの生クルマエビがオーストラリアへの輸入を拒否されており、オーストラリアのクルマエビの価格が2倍以上になるとしている。 オーストラリアシーフード輸入業者協会は独自の検疫テストを開発中で、ハリー・ピータース会長は、「我々の検疫テストは4月に発表する。 この検疫テストは、前連邦政府が打撃を与えた我々の業界を守るために開発された。 レストラン・ケイターリング協会による理解は、今の検疫テストに反対する我々の取り組みの助けになる」と話した。 しかし、オーストラリアクルマエビ養殖協会は、「現在の検疫体制は、オーストラリアのクルマエビを海外から入ってくる病気から守るために重要である」と反論した。 (Source: ABC, 07/01/08 "Prawn importers to fight new quarantine laws")

01月09日2008年 連邦政府がメルボルン港の水路浚渫プロジェクトを許可
  オーストラリア連邦政府はポートフィリップス湾の水路浚渫プロジェクトを許可した。 メルボルン州政府は、水路の浚渫工事が行なわなければ、オーストラリア最大のコンテナー港としての地位をメルボルン港は失いかねないとしていた。 連邦政府のピーター・ギャレット環境相は、「水路の浚渫工事は、年間680億ドルの貿易を守ることになる。 しかし、今回の許可に関してはメルボルン港湾公団が新しい16項目の条件を満たす必要がある。 港湾公団が渡り鳥や湿地を保護する資金を拠出することを望んでいる。 また、独立した機関による、環境破壊に関する管理、報告システムを構築することを要求する」と語った。 浚渫反対グループの”Blue Wedges”は今回の許可にショックを表明し、広報担当のジョー・サミュエル・キング氏は、「ギャレット環境相は、環境を守るという自身の仕事を果たしていない。 国際条約で保護された地域や絶滅危惧種の動物の保護をすることなく、メルボルン港のビジネスを保護している」と非難した。 (Source: ABC, 20/12/07 "Federal Government approves bay dredging")
01月09日2008年 香港の貨物会社BALトランスの買収を計画 − トール

  トール・ホールディングスは、香港に拠点を置く貨物業者のBALトランス・ホールディングスを買収するために3億6,500万豪ドルをオファーした。 トールはすでに、BALトランスの創立時の株主から44%の株式取得の約束を取りつけている。 BALトランスは香港の証券取引所に上場している企業である。 トールは、「BALトランスは、アジア、北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、中東の主要都市にネットワークを持つ、アジアで最大の貨物輸送とロジスティックスの企業の1社で、売上高は年間6億9,000豪ドルである」としている。 トールのリトル社長は、「BALトランスは、トールのアジア成長戦略において重要な要素であり、強力なアジア市場をベースに世界的な貨物輸送ネットワークを提供できる。 トールのオーストラリアとニュージーランドを除いたグループ会社とBALトランスの売り上げを合わせると年間12億豪ドルとなり、バージンブルー航空を除いたトール全体の売り上げの20%以上を占めることになる」と語った。 トールは現在BALトランスの株主に対し一株当たり7.60香港ドル(1.13豪ドル)をオファーしているが、もし、90%以上の株主が買収に承諾するのであれば、オファー価格を7.75香港ドル(1.16豪ドル)に引き上げることになるとしている。 リトル社長は、このオファー価格は買収を発表する前の価格から41%高くなっており、トールがBALトランスの買収を真剣に検討していることを反映していると話した。 (Source: AAP/AGE, 20/12/07 "Toll bids for Hong Kong freight group")

01月09日2008年 ブランブルズ社の株式を売却、買収断念 − アシアーノ社
  鉄道・港湾事業者のアシアーノ社は、先週大手パレット業者ブランブルズ社の買収断念を発表し、同社が保有するブランブルズ社の株式の売却を始めた。 2007年6月にトール・ホールディングスから独立したアシアーノ社は、ブランブルズ株を買い集め4.1%の株式を取得し、自社の3倍もある規模のブランブルズ社を200億ドルで買収するのではないかと噂された。 しかし、同社は先週、ブランブルズ社の買収を否定し、今週保有する株式を売却するという次のステップに入った。 同社は声明で、「アシアーノ・グループは、ブランブルズ社の保有株式を4.09%から3.44%に引き下げ、売却した資金で借入金の返済にまわす。 ブランブルズ社の残りの株式については、アシアーノの戦略は一貫しており、アシアーノの企業価値を最大限に上げ、株式投資は最小限にとどめることには変わりはない」としている。 (Source: AAP/AGE. 20/12/07 "Asciano sells down Brambles holding")